名曲喫茶

      

東京の名曲喫茶は渋谷道玄坂のライオン荻窪のミニヨンが双璧なんだそうです。ライオンは昨年、ミニヨンは先日行ってきました。

そもそも名曲喫茶って何か?wikipediaにこんな解説が載ってました。引用します。

名曲喫茶とは普通の喫茶店、カフェとは異なりコーヒーや紅茶をはじめとする飲み物を供するだけではなくクラシック音楽を音響装置によってお客に聴かせる場所である。しかし、イージーリスニング的にクラシック音楽を喫茶店で流していればそれが名曲喫茶になるのか? と言われると難しいところがあるが、この喫茶店は自分が流して欲しいクラシック音楽の曲目、及び演奏者のリクエストに応じてくれる特色がある。また、店によっては生演奏をするところもある。名曲喫茶という言葉をあまり聞く機会がなかったが最近(2003年10月)にコロムビアミュージックエンタテインメントが、「名曲喫茶のクラシック」というオムニバスを発売した。

名曲喫茶の英訳はない。そもそも喫茶店でわざわざクラシック音楽を聴きに行く概念が欧米人にはないからである。クラシック音楽を聴くならばコンサートホールで生を聴く方が彼らにとっては安くて手軽なのだろう。

この喫茶店が登場・浸透し出したのは、クラシックのレコードが高くて個人では購入できなかった時代(1950年代〜1960年代頃まで)で、現在では滅多に見かけなくなってしまった。全盛期は1960年代で、そのきっかけは、海外の雑誌が新宿の名曲喫茶「風月堂」を「若き芸術家の卵達が集う日本のグリニッジ・ヴィレッジ」と紹介し、海外からのバックパッカーが東京の裏観光スポットの様にもてはやし大挙訪れる様になった(当時、まだ珍しかった外国人が多数店内に滞在する事で急激にイメージが好転した)事があげられる。他、元々、常連客層だった作家・芸術家・舞台俳優などへの憧れで、クラシック自体に特別の興味はなくともサブカルチャー感覚で来店する客が増え、更にカウンターカルチャー系の学識人・芸術家を通して学生運動家・右翼学生・ヒッピーが集い、果てはシンナー中毒に耽る不良が自分を高める(様に錯覚させてくれる)場所、或いは単なる流行の追っかけや異性とのデート先として変容していった。この有様を嘆いた同店経営者により閉店したちょうどその頃、誰もが簡単に安価な家庭用オーディオ機器・レコードで手軽に高音質のクラシック音楽を家に居ながらにして聴く事とが出来る様になり、更に各地の名曲喫茶減少に拍車をかけていく。しかし近年、独特の静かな雰囲気で集中できる場所として再評価され、そこで仕事をする人や読書をする人からの支持、はては昨今のクラシックブーム・癒しブーム・昭和レトロブーム・清貧ブーム・ロハスブームの影響により、見直されつつある。大概の名曲喫茶は店舗建造物も古く、ある程度は創業の歴史が長い事が伺え知れる(但し、例外もあり得る)ゆえ、珈琲好きの客が店の珈琲を淹れる技術の熟練度が高い事を期待して好んで来店するという傾向も時代の追い風になっている。


なるほど・・・キーワードはアンティック、レトロということなのです。2007年以降、定年退職者が巷間にあふれるのは間違いなく追い風でしょう。

ライオンのスピーカーは複雑怪奇です。音質より、伝統を聴くべきスピーカーでしょう。ミニオンはスピーカーがタンノイですが、ずばりラジオの音質です。LPしか置いてないそうです。今風の装置とは目指す方向が根本的に違うと考えるべきです。

両者ともスピーカーは間違いなく老朽化していますし、プレーヤー・アンプ・ネットワーク・ケーブルの全てに難ありという気がします。スピーカーケーブルがたいへん長いのも大いに問題ありそうです。しかしそういうのをあげつらってはいかんのです。レトロを楽しむのが名曲喫茶というものだからです。個人的にもごくたまにいくのは悪くないと思います。(2006.11.4記)続きへ

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